OSSカンファレンス総会に行ってみた

今日は年休だったんだけど、OSSカンファレンスの総会があるということで大崎まで足を運んでみた。

総会そのものは興味ないのでパスしたが、後半のオープンソースコンテスト発表会には興味があったので、聞いてみることに。

  • 今回はPostgreSQL/DBMS関係の発表はないけど、こういうのって、普段の仕事でもなかなか聞けないからねー。
  • あとは、どういう人種(年代や会社、職種等)がこのコンソーシアムに参加しているのかを見てみたかった、というのもある。
  • (実は大崎で私的な用事があったので、そのついでにOSSカンファレンスにも出てみたというのが真相に近い)

まあ、いろいろ分からないところも多かったが、こういう話も聞いておくのもたまにはいいかな。

なお、だからと言ってOSSコンソーシアムに入会するかと言われると・・・微妙ですなあ。
会社として参加するには、説得するのが難しそうだし、個人参加という感じの団体でもなさそうなので。


プログラミングコンテストに勝つためのOSS

  • 発表者は左野寛之さん。会津大の学生さん
  • Google Summer of Code 2016に参加。RoR改善に取り組んでいる。
  • OSS開発奨励金:プロジェクトが完遂したら$5500!
プログラミングコンテストの話
Aizu Online Judge(AOJ)
プログラミングコンテストのためのライブラリ
  • ソースファイル分割不可、標準ライブラリのみ。
Social Snippet
  • プロコンの問題を効率的に。
  • Github経由でスニペットを配布。
    • Githubの検索とくらべて何が有意なのか?
    • ライブラリのバージョン管理(git連携)
    • スニペット間の依存関係解決
    • Vim/Aceに対応。
今後にむけて
  • オンラインジャッジを利用した自動的な評価。
プログラミングコンテストOSS


OSS ERP JPiereの紹介

  • 講師は株式会社オープンソース・イーアールピー・ソリューションズ 萩原秀明さん
  • 学生の頃に会計を専攻していた。
  • オープンソースERPに出会って、依頼ERP一筋でやってきた。
  • JPiere=iDempiereのプラグイン
    • 日本の商習慣に合わせたもの。
ERP(Enterprise Resource Planing)
  • 企業の業務データの一元管理ができるのがメリット。しかし高額である。
  • そこでOSSERPの出番となる。
    • 業務アプリケーションの開発基盤という側面もある。
    • Compiereという前身がある。15年くらいの歴史がある。
    • クラウド環境でも利用可能。最近の客は主にクラウド上で利用。
  • ERPとして必要な機能は一通り揃っている。
  • Best of Open Source Softwareも受賞。
  • JPiereはプラグイン集。
  • Linux/PostgreSQL/MySQLなどのミドルのソースをカスタマイズして提供する人はそれほど多くはない。
  • アプリケーションレイヤでは、ソース改造・カスタマイズして提供というケースは多い。
    • が、その場合メンテナンス(アップグレード時)に追随するのが大変。
    • プラグイン化によりその問題を解決
    • JPiereaはGitbucketでコードを管理している。
JPiereのデモ
  • 受注のデモ。
  • 画面設定はパラメータ設定で可能。
JPiereの宣伝。
  • 高い人件費、高額なシステム
  • 導入工数を減らして素早く低コストで
    • iDempiereの標準機能+Jpiereの組み合わせで必要機能へのギャップ。
  • JPiere
    • 例:低減税率への対応
    • 売上の処理
    • 日本語レポートの生成。
    • 日本の商習慣だけでなく、UI改善や便利に使うためのツールも提供。
    • パラメータ設定の最適化
コミュニティ
  • 技術と収益をiDempiereのコミュニティにも還元することを考えている。
  • 2週間くらい合宿みたいなこともやった。
    • 日本とアジア圏で商習慣ってどのくらい違うのかなー。
  • フリーライダーにはなりたくない。
    • 寄付やバグレポートは毎月やっていく。


OpenFlowパッチパネルのご紹介

  • 講演者は仲間 修也 氏
  • 沖縄オープンラボラトリ所属
オープンラボラトリの紹介
  • NTTCom/NEC/株式会社イイカの3社で設立。うるま市で活動。
  • 次世代ICTの実用化、普及のための研究開発
OpenFlowパッチパネル(OF-Patch)とは
  • OpenFlowスイッチにてパッチパネルを実現したもの。
  • パッチパネルって?
    • 裏面にサーバ、ルータ、スイッチを、表面の抜き差しでNW構成を変更するもの。
  • OpenFlowの説明
    • フローを入力することで制御する。
  • OF-PatchとGUIの制御画面を今回開発している。
OF-Patchの必要性
  • 従来のパッチパネルでは、物理的な配線を手動で切り替える必要があった。
  • それをソフトウェアで制御することで、現地での作業等なしにしたい。
  • 沖縄オープンラボに実際に組み込んでみた。
OSSとしての公開。
of-patchの実装
  • Leaf-Spine構成
    • 複数のOpenFlowスイッチを組み合わせてポート数を確保。
    • Spine:中間層
    • Leaf:末端層。最大48台。2000近くのポートが使えるようになる。
  • 経路選択
    • 経路に偏りが起きないように制御している。
of-Patchのデモ
  • 円周の外側が接続機器などになる。
  • デモもSpine/Leafの構成。
  • 画面上で線を繋いでフローを追加/線を切ってフローの削除などを実施。
今後の取組
  • 複数データセンタ対応
    • 沖縄オープンラボラトリが那覇近くに移転した。
    • このため拠点をまたいだ対応が必要がでてきた。
  • OAM機能
  • SINET検証


オープンソースな個人番号カードドライバ

個人番号カード(マイナンバーカード)の解析
  • 署名用証明書
    • 身分証明(e-Taxなど)
    • 電子申請
  • 利用者認証用証明書
    • WebサイトログインのためのX509証明書。
    • 公開鍵/秘密鍵のペア
データモデル
  • 総務省が消せと言ってくるかもしれない」
  • ツリー状の構成。Unixファイルシステムに類似。
  • 緑は普通のファイル
  • 黄色はハード的に読み取り不可?になっている。チップを開けると自爆する機構が入っているかも。
APDUコマンド仕様の話。
  • 4バイトのコマンドと後続するペイロードで構成。4つのケースがある。
  • カードによって独自の命令があったりする。マイナンバーにもそういうものがある。
  • APDU通信の例
  • まさかのマイナンバーの公開w ASCIIで入っているのな。
  • 名前・住所はUTF8、生年月日はASCII。性別は0x31。
    • 女性が0x30なのか0x32なのかは不明w
ここから本題?
  • プロトコル解析→OpenSCカードドライバの開発・・・公的個人認証の普及。
  • パスワード不要の社会をつくりたい。
    • 幼児や老人には無理なことを押し付けてないか、という話。
  • マイナンバーがきっかけでPKI普及につながればいいのでは。
OpenSCスタック
  • PCSC/PKCSの上に乗るのがOpenSC
  • OpenSCの上にOpenSSLやVPN、メーラ、ブラウザ、無線LAN等のアプリケーションが使える。
PKCS#11 APIs
  • インタフェースだけ規定。
  • 全部で100個以上あるらしい。主要なものは実装されつつある。
PKCS#15
マイナンバーカードでSSHの話
総務相に言いたいこと
  • 仕様を隠さないで
    • ハックする人がいるから無駄ですよ
    • 普及させたいなら公開しろと
目指していること
  • エストニア・ベルギーのような電子先進国
  • 日本のここがダメ
    • 仕様非公開、クローズドソース、Java Applet(笑)、Linuxが確定申告できない
    • 日本のJPKIのページは濱野さんが作っている
      • 日本の総務省はこれを快く思わないだろう(笑)
総務省への低減
  • マイナンバーへの不信をなんとかしろ、秘密鍵生成の仕組みを公開すべき
    • 日本政府の陰謀論(笑)
    • そういう情報を公開していないのがいけない。
  • 失効情報の検証
  • 名寄せ問題
    • 名寄せ業者を潰さねばならない→信頼できるID Providerをつくらないといけない。

OpenLDAP高速化の話

  • ここから本題かw
  • イギリスで発表したスライドの説明
WiredTiger
  • BekeryDBを作った人がまたWiredTigerという新しいDBを作った。
    • 最近のマルチCPUに対応。
  • WiredTigerを使ったOpenLDAPバックエンドを開発した。


以降はわりとどうでもいい話。

役員体制の報告

  • わりとどうでもいい。


コンテスト結果発表

  • 優秀賞(2名:賞金10万円)
    • 佐野さん(IPA発表があるので、もう帰ったらしい)
    • 萩原さん
  • 最優秀賞(1名)
    • 濱野さん